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【稽留流産の体験談】お腹に来てくれた、もう一人の赤ちゃんの話

せんせいママの話

私には、もう一人、お腹に来てくれた赤ちゃんがいます。

”3人目の子”(息子の前の子)を授かったとき、私は「稽留流産(けいりゅうりゅうざん)」を経験しました。今日は、その子のお話です。

私は今、この経験を「学ばせてくれた」「教えてくれた」と捉えて、前を向いて書いています。

同じ経験をした方には少しでも寄り添えるように。そして経験のない方にも「こういうことがあるんだ」と知ってもらえるように。

私が実際に体験したこと、その時知りたかった情報を、まとめました。

※この記事には、流産の経過について具体的な描写(出血の様子など)が含まれます。今つらい状況にある方や、こうした描写が苦手な方は、どうか無理をせず、そっとページを閉じてくださいね

この記事を書いた人
ひこまろママ

保育士11年→幼稚園の先生3年=保育歴14年。3きょうだい(小1・年中・0歳)の母です。パルシステム・コープ愛用中。育児がグッと楽になった「頼れるもの」を実体験で紹介します。

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そもそも「稽留流産」とは?

まず、言葉の説明を少しだけ。

稽留流産とは、お腹の中で赤ちゃんの成長が止まってしまっている(亡くなっている)のに、出血や腹痛などの自覚症状がなく、ママ自身は気づかないまま経過している状態のことです。多くは、妊婦健診のエコーで発見されます。

実は流産は、妊娠した人の10〜15%ほどに起こると言われていて、決して珍しいことではありません。

そして、その原因の多くは赤ちゃん側の染色体の問題で、ママの過ごし方や行動のせいではないとされています。

——と、頭ではわかっていても。当事者になると、そう簡単には割り切れないんですよね。ここからは、私の体験のお話です。

ひこまろママ
ひこまろママ

「稽留流産とは」を詳しく知りたい方はよければ公式ページ(参考:流産・切迫流産|日本産科婦人科学会)も合わせて読んでみてくださいね。

3人目を授かった、あの頃

次女が2歳の頃、私は”3人目”(息子の前の子)を授かりました。

もともと「子どもは多く持ちたいね」と家族計画を話していたので、それはそれは嬉しかった。

でも、その時に私が身を置いていた環境は、正直なところ、なかなか過酷に感じるものでした。

当時勤めていたのは、創立して歴史の深い保育園。ただ、そこの保育の方針や考え方に、私は少し違和感を感じていました。

さらに、すでに生まれている2人の娘たちは、病気もしやすく熱も出しやすい年齢。

迷惑をかけている立場の上で、自分では納得できない対応を迫られたり、園の方針に則ると保護者にも自分なりにしっかりと寄り添えなかったり。フラストレーションは、静かに溜まっていました。

「は?」——心に刺さった、あの一言

保育士が足りない実情もわかっていたので、私は妊娠の時期を、なるべく職場に迷惑をかけないように、正直けっこう計算していました。

その上で、職場の管理者に妊娠を伝えると、返ってきたのは——

「は?、、はあ、、、わかりました。」

その一言が、すごく心にきてしまいました。

さーっと音を立てるように、一気に気持ちが下がってしまい、さらに日々ストレスを感じるようになっていました。

今まで迷惑をかけてしまっていたわけですし、私自身の身のなりにも問題がないとこうはならないのかなと思い自身を改めるとともに、実際これがリアルな心の声なのかもしれないなと、勉強になる出来事でした。

8週の検診で感じた、小さな違和感

そんな時でした。妊娠8週の検診でエコーを見せてもらった時、自分でも違和感を感じたんです。

「なんか、心臓の動きが弱々しい気がする、、、」

うまく言えないけれど、勘が働いた。

「この子、大丈夫かな?」と。

心配する私に、クリニックの先生は「来週、もう一回おいで」と優しく言ってくれました。

そして9週の検診に行くと——赤ちゃんの姿さえ、見えなくなっていました。

「残念ですが、赤ちゃんがいません」

そう言われた時に頭が真っ白になった感覚は、今でも忘れられません。

悲しいというより、まず、意味がわからなかった。

原因は、赤ちゃんの染色体異常など赤ちゃん側にあることが多いんだよ、と説明されました。

それでも、自分の置かれていた状況やストレスを、責めてしまったりもしましたのも事実です。

「いなくなったこと」を伝えるつらさ

まだ初期だったので、妊娠は職場全体には伝えていませんでした。

でも、管理者には言わないといけなかったですし、勘の鋭い先生は私のつわりの様子(今回もつわりが重かったんです)で気づいていました。

その人たちには、「赤ちゃんがいなくなったこと」を伝えなければいけませんでした。

それが、また、しんどかった。

人事の部分もあるし、早く言えば体制を整えてもらえるかもしれないけれど、こういう時に伝え直すつらさもある。妊娠報告のタイミングって難しいところだなと今でも思います。

手術か、自然排出か——2つの選択肢

稽留流産とわかったあと、お医者さんから提案されたのは、2つの方法でした。

①手術で取り出す②自然に出てくるのを待つ
方法日帰り手術(全身麻酔)自然に排出されるのを待つ
体の負担手術の負担がある手術は避けられる
タイミング予定を決められるいつ流れ出るかわからない
その後3ヶ月ほど経過観察排出後1ヶ月ほど様子見
つわり早く落ち着くことが多いしばらく続くこともある

私の場合、帝王切開も経験しているので、「手術で子宮内の傷に触れてしまうと、次の妊娠に影響するかもしれない」という懸念もありました。

そして最終的に私が選んだのは、②自然に出てくるのを待つことでした。その背景には、

「もう少しだけ一緒にいたい」「この子が望むタイミングで出してあげたい」「手術が怖い」

——いろんな思いがありました。あわよくば「間違いだった」なんてことも、少し望んでいたのかもしれません。

正直、色々な気持ちが交差していて明確な決定打はなかったけれど、それでも私の中では「自然排出を待つ」。これ一択でした。

お腹の中でいなくなっても、つわりはあった

待つと決めてから、意外だったことがあります。

それはお腹の中で赤ちゃんの成長が止まっても、つわりは続いたことです。

「つわりは赤ちゃんが元気な証拠」なんて言うけれど、そんなこともないんだな、と身をもって知りました。

医師いわく「だいたい1ヶ月から2ヶ月内で出てくるよ」とのこと。

その時を待っている間も不安や心配はつきませんでした。

主人と2人で、その子が決めたタイミングで出てくることを、静かに待つことにしました。

その日が、来た

その間も、普通に仕事をして、育児をして。1ヶ月半くらいが経ったある日のことでした。

もうすぐ仕事が終わる、という時に、お腹がしくしくと痛むようになったんです。本当に、陣痛のような間隔が空いて訪れる痛み。

退勤しても出血はなかったので、長女と次女を保育園に迎えにいって自分で運転をして帰りました。どんな時も子育ては続いていきます。

そしてある瞬間、どろっとした感覚がありました。急いで自宅のトイレに駆け込む。それを皮切りに、大量に血が。

陣痛のような痛みに合わせて、5〜6回くらいサラサラとした血と、血の塊が出る感覚があって、1時間ほどで落ち着きました。

これが職場で起きていたら大変だったな、、と思ったので、痛みがあったらすぐに病院に連絡したり、その時の取るべき行動について事前に医師に確認しておいた方がいいと思います。

(※出血量や痛みの感じ方は、人によって本当にさまざまだそうです。私の場合は、という一例として読んでくださいね)

産褥シートもつけて、時々トイレから出て長女と次女のお世話をしていたのですが、その上に、「これ、、、赤ちゃんかな?」となんとなく感じる血の塊が。主人も「これ、、そうかな?」と。

夫婦二人で手を合わせて、病院に見せるための写真を撮ってトイレに流しました。

本当は「出てきたら病院に持ってきてね」と言われていたのですが、次の日は代わりの効かない早番シフト。職場に対しても「言いたくないな」「頼りたくないな」という気持ちになってしまっているところもあったので、とりあえず出勤して、午後退勤した後産婦人科に行きました。

ちなみに自然排出したあとは体は特に変わらず、貧血のような現象も起きませんでした。(私の場合です)

翌日、病院で出来事を話して写真を見せると、「じゃあ、内診してみよう」と。診てもらった結果、赤ちゃんは綺麗に流れていったと知らされました。

この時の気持ちは、「無事に出てこれて、よかった」でした。

痛みが陣痛のようだったこともあって、「産んであげられた」という感覚にもなったかな。元気に産んであげることはできなかったけれど、しっかりと見送れたような気持ちになりました。

水子供養と、今も手を合わせる場所

その後、主人とお寺で水子供養(みずこくよう)をしてもらいました。今でも、そこの水子観音様には手を合わせにいきます。

供養の形に決まりはないと思いますが、私にとっては、この子の存在を「なかったこと」にせず、ちゃんと心の置き場所を持てたことが、前を向くための大きな支えになりました。

そして、その2年後に、息子が生まれました。

この子が、教えてくれたこと

私は、この子は、いろんなことを教えに来てくれたんじゃないかな、と思っています。

自分自身の気持ちに蓋をしないこと。今ある幸せに目を向けて、感謝すること。——私の勝手な解釈だけど。

あの流産もきっかけになって、私は職場を辞めました。そのあと、すごく素敵なご縁と出会って、また楽しく子どもと関われるようになったんです。

辛くて、悲しくて、自分を責めた出来事でした。でも今は、この子のおかげでいろんなことを変えて、新たに頑張れている。それを糧に、これからも生きていきたいと思っています。

そして、きっと保育者としても、もっといろんなお母さんの気持ちに寄り添えるようになったと思います。

おわりに——今、同じ思いをしている方へ

最後に、もし今、同じ経験をして自分を責めている方がいたら、これだけは伝えさせてください。

流産の多くは、赤ちゃん側の理由で起こると言われています。あなたのせいでは、ありません。

「お空に忘れ物をとりに戻っただけ」そう言われていたりもします。それでもご自身を責めてしまうことだってあるでしょう。

そういう時は我慢せず、泣きましょう。

悔やんでも悲しんでもいいんです。悲しいに決まっています。「自分を責めないで」なんて言いません。責めてしまう気持ちも当然の感情です。だって”お母さん”なんですから。

その気持ちととことん向き合った先にきっと、新たな未来が見えてくると思います。

その時が来たらそれはきっとその子が背中を押してくれているんだと思います。前を向いて歩き出せるはずです。

(気になる症状や不安があるときは、自己判断せず、必ずかかりつけの産婦人科に相談してくださいね)

(参考:流産・切迫流産|日本産科婦人科学会)

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